日本オーラルクリニック | 名古屋で受ける最先端のインプラント治療


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抜歯 Tooth Extraction 顎関節症 Temporomandibular Disorder

炎症 Inflammation 外傷 Trauma

粘膜疾患1(前癌病変) Mucosal Disease01 粘膜疾患2(悪性腫瘍)Mucosal Disease02


 当院は日本口腔外科学会が認定した口腔外科専門医・指導医が診断・治療にあたる口腔外科を専門とする医療機関です。最近、口腔外科の標榜は急速に増えていますが、日本口腔外科学会で口腔外科医としてその力量を認定された口腔外科専門医のいる施設は極めて少ないのが実情です。

 2006年6/2号の週刊朝日には
『歯科関連の学会の中でも、日本口腔外科学会は極めて厳格な専門医制度を有している。専門医はまさに口と顎の外科領域におけるスペシャリストである。顎関節症、口腔がんなど、多様な疾患の治療に尽力している。』
とあります。

 日本口腔外科学会が定める専門医制度とは、その経験と技量により、認定医、専門医、指導医を認定するものです。
 認定医は医師又は歯科医師が2年以上日本口腔外科学会に所属し臨床研修修了後学会参加・発表、研修会参加、日本ACLS協会や日本麻酔学会等が開催する救命救急研修に参加して研修実績を積み、さらに診断、周術期管理、手術管理等の規定の症例数を診療実績として修めた上で、受験資格を審査され、認められた者に口腔外科疾患全般の診断と治療及び入院患者の全身管理についての筆記試験が行われ審査会にて審査され専門医審査委員会に答申され合格者が決定されます。

 専門医はさらに厳しい資格審査が行われます。専門医は良識ある人格を有する医師又は歯科医師が6年以上日本口腔外科学会に所属し、日本口腔外科学会認定医資格取得者で学会が定める研修施設にて通算6年以上口腔外科に関する診療に従事している者で学会参加・発表、研修会参加等で75単位以上の研修実績を修めた上、麻酔研修として、日本麻酔学会専門医の指導下で手術部あるいは救急部・集中治療部等に於いて3ヶ月以上研修し、全身管理を経験し、救命救急研修として日本ACLS協会や日本麻酔学会等が開催する救急研修に参加し研修実績を積み、100例以上の執刀経験が必要で、そのうち40症例以上が中難度あるいは高難度(別表)の手術でなければ診療実績が満されません、さらに、3編以上の論文を日本口腔外科学会雑誌に掲載実績を有している者が、申請でき、これらを満たしているか受験資格を審査され、認められた者に医の倫理、口腔外科疾患全般の診断と治療及び入院患者の全身管理および救急蘇生法について、口頭試問、筆記試験及び手術実地審査が行われ専門医審査会にて審査され専門医制度審査委員会に答申されやっと合格者が決定されます。

 指導医は、さらに厳しい資格審査が行われます。指導医は認定医、専門医を指導し、口腔外科の発展と向上に資する、さらに口腔外科に関する診療、教育及び研究の指導がおこなえる資質を有する医師又は歯科医師が12年以上継続し日本口腔外科学会に所属し、日本口腔外科学会専門医資格取得者で学会が定める研修施設にて通算年12年以上口腔外科に関する診療に従事している者で学会参加・発表、研修会参加等で75単位以上の研修実績を修めた上、さらに学会が定める教育研修会及びリフレッシュセミナーにそれぞれ参加し研修実績を積み、申請前の3年間において手術難易度区分表(別紙)のうち60例以上の中難度あるいは高難度手術を執刀しなければ診療実績が満たされず、さらに、10編以上の学術論文を発表し、その内の3編は日本口腔外科学会雑誌に掲載実績を有している者が申請でき、これらを満たしているか否か受験資格を審査され、認められた者に小論文、面接、及び手術実地審査が行われ専門医審査会にて審査され専門医制度審査委員会に答申され合格者が決定されます。

 このように厳格な規定があり、日本歯科医学会の分科会として最大規模の約10,000名近くの会員を擁していますが、その中で学会が認定した専門医は千五百名程度で、その上の指導医は全国で約850名程度しかいません。

 口腔外科専門医が対象とする疾患は顎の骨折や口腔内外の創傷などの外傷の治療をはじめ、口をあけるとカクカク音がする、口が開かない、開けると痛いなどの症状を呈する顎関節症の治療、顎が極端に前に出る前突症(上顎前突症、下顎前突症など)や口を閉じたときに主に前歯が噛まずに開いた状態の開咬症などの顎変形症では顎の骨を切って正しい噛み合わせになるよう移動させ正確な位置に整復固定させる骨きり手術、舌がんや歯肉がん、口底がんなどいわゆる口腔がんの早期発見や切除術等の根治治療、そしてその後の再建やオーラルリハビリテーションなども重要な仕事です。その他口腔粘膜の病変や唾液腺疾患も口腔外科専門医のフィールドです。

 また、最近欠損部にチタン製のインプラントを埋込む手術や骨の無い所に骨を移植したり再生したりしてインプラントが埋込みできるようにするのも必要なのは口腔外科専門医の技術です。なぜなら、口腔内は体の中でも特に神経や血管が複雑に走行しているところの1つです。インプラント治療はその顎の骨に穿孔し人工歯根を埋込むわけですから、当然これらの解剖に精通し、手術創管理に豊富な経験を有することがより安全に治療を進めていく為に不可欠だからです。

(2006年6/2号の週刊朝日より一部引用)






抜歯


 抜歯は口腔外科のもっとも基本的手技の1つです。歯が生えている状態によって鉗子(一種のやっとこの様なもので歯を挟んで抜く道具)や挺子(ドライバーの様な形をしていてその先にブレードがあり歯と顎の骨の間の歯根膜空隙に挿入し楔とテコの原理で歯を脱臼させ抜く道具)のみで抜去する単純抜歯から粘膜にメスを入れ剥離して骨や歯を削って抜歯しなくてはならない難抜歯まで様々であり、完全に骨の中に埋まっている親知らずなどの抜歯はかなりの熟練を要することから口腔外科専門医のいる医療機関での抜歯をお勧めします。

 完全に骨の中に埋まっている親知らずを抜歯して顔が凄く腫れたとか、口が開かなくなった、熱が出たなど大騒ぎをされる方も多いですが、口の奥深くで骨の中に大きな歯が埋まっていたのですからその程度の症状が出ることは抜く前から知っておく必要があります。以下代表的な疑問にお答えしますので参考にして下さい。


親知らずが横になって骨の中に埋まっていますが、抜くべきですか。

親知らずはちゃんと生えていて上下間でしっかり噛み合っていれば抜く必要は有りません。しかし、お尋ねのように最近はすべての歯がきちんと生えることができる程顎の骨が大きくならず最後に生えて来る親知らずの萌出スペースが不足してまっすぐ生えて来ません。その結果汚れがたまり易くなり、歯周病や隣の歯の虫歯(右のレントゲン写真の矢印の部分)の原因になります。ひどい時は化膿し重篤な顎炎に移行します。抗生剤がなかった時代では死に至ることもよく有ったようです。
その上、歯並びにも悪影響を及ぼしますので、痛みが出ないうちに早く抜いておいた方が良いでしょう。


骨の中に深く埋まった歯を抜くのにCTを撮ることがあるってホントですか?

ホントです。CTは従来の画像と違って三次元的に対象を観察することが可能です。したがって、今迄よりより詳しい情報が得られより安全に抜歯することが出来るようになりました。当院は被爆量が少なく、歯などの硬組織の分解能が高い最新の歯科CTを利用して親知らずをより安全に抜歯しています。

従来のX線写真では発見できない根の湾曲を(左上写真)、当院の歯科CT画像で見事に描出しています(左下写真)。
結果として、釣り針のように根尖部が湾曲した親知らずを、破折することなく安全に抜くことができた歯牙。(右の写真)


行ったその日にすぐ抜歯できますか?

基本的には、初診の日は診査、診断に当て、月〜木曜日の午前中に次回の予約をしていただき、抜歯を行います。難しい抜歯の場合は、術前のCT撮影などの画像診査や基礎疾患の有無、出血傾向の有無、薬剤アレルギー有無などの診査診断が重要になります。初診の段階で腫れて、痛みがあるようなら、薬で腫れや痛みを抑えてから抜歯します。

抜歯治療の流れ
初診日 診査診断(CTの撮影など) 抜歯の予約
抜歯当日
抜歯の次の日に傷口の消毒
抜歯日に縫合していれば抜糸
治癒を待って終了


親知らずを抜くのにかかる時間は?

親知らずの生えている状態によって異なりますが、完全埋伏歯の場合、メスで歯肉を切り、バーで歯を二つに分割して抜歯しますが、抜き始めれば大体5〜10分程度で抜けます。しかし、当日は来院されると、体温測定やお口の清掃消毒、点滴などをした後、抜歯し、その後止血や体調を確認してから帰宅していただきますので、大体1時間半程度はお時間をいただきます。


親知らずを抜いている時の痛みは?

抜歯前に局所麻酔をいたしますので、抜歯中痛みに耐えていただくような事はありません。局所麻酔によって痛みの感覚はなくなりますが、押される感覚は残ります。


抜歯してちゃんと傷が治るか心配です。大丈夫でしょうか。

抜歯すれば当然口の中に傷が出来ます。通常傷が出来てもほとんどの場合、個人差はありますが、自然に治ってしまいます。案ずるより生むが易しです。


抜歯後に注意することは?

抜歯によって口の中に傷ができ、反応性炎症といって赤くなったり、腫れたり、痛みが出たりします。末梢血管が拡張するからで、激しい運動や仕事はさらに血管を拡張することにもなりますし、体力が消耗すれば抵抗力も低下し細菌感染し易くなり傷の治癒にも良くありません。同様に、飲酒、熱いお風呂に浸かったり、汗をかくような刺激物や熱い食べ物はやはり血管を拡張し血行を促進しますので、避けるようにして十分に体を休めて下さい。
また化膿予防として出される抗生物質は、飲んだり飲まなかったりすると、薬の効きが悪くなるばかりか、今話題になっている薬剤耐性菌の発生を助長しますから、必ず指示通り内服し、出された薬は飲みきって下さい。



抜歯後の痛みや腫れはどうですか?

個人差があり予測がむずかしいのですが、一般的には抜いた後には必ず腫れると思って下さい。あまり腫れないように抜くことも出来ますが、痛みが長引いたり傷の治癒が遅れることがあります。また、腫れるということは、体の刺激に対する正常な反応ですから、無理に抑える必要もありません。腫れのピークは2〜3日程度で、その後、一週間程度で治まっていきます。痛みに関しても抜歯当日がピークで翌日から自発痛は和らぎますが、接触痛はしばらく残ります。必要に応じて、こちらで痛み止めを処方いたしますので心配ありません。


歯を抜いてもらって、家に帰ってきたらまた出血してきて止まりません。
どうしたら良いでしょう。


歯を抜いた後は止血を医師が確認して帰ってもらいますので、その後にまた出血してきたのでしょう。局所麻酔薬には効果を高めるために血管収縮剤が入っています。この血管収縮剤は術中の出血を抑える効果もあり、この効果が無くなると再出血してくることがあります。原因はこれだけはありません、頻繁にうがいをしたり、激しい運動、入浴、飲酒なども再出血の原因になります。また、出血性素因がある場合も術後持続的に出血します。また、埋伏した親知らずなど侵襲の大きい抜歯の場合は一晩中ジワジワ出血し続けることもあります。このような場合はガーゼを何枚か重ね折し抜歯窩にあて20分くらいしっかり噛み続けて下さい。これを2〜3回繰り返しても止血しないようならもう一度その歯科を受診するか、夜間の場合は当直医の居る大きな病院の口腔外科を受診して下さい。この場合もガーゼをしっかり噛み続けて受診します。


親知らずを抜歯して数日経ちますが、腫れたり、膿がでたりすることは無いのですがズキズキと痛みが増して来ています。どうしたら良いでしょう。

歯を抜けば当然痛みは出ますが、大抵1日程度で和らいで来ます。あなたのように数日後からどんどん痛くなる場合は細菌感染が考えられます。しかし腫れたり、膿が出ている訳でもないようです。これは何らかの原因で抜歯窩の骨がむき出しになり骨炎を起こしているためでしょう。鏡でよく見てみると、抜歯窩内に白いむき出しの骨が見えることがあります。我々はこのような状態をドライソケットと呼んでいます。抜歯時に出血が少なかったり、頻繁なうがいで抜歯窩をおおっていた血餅が洗い流されたり、長期に炎症を繰り返した歯の歯槽骨には骨炎が存在している場合等が多くこれらが原因として考えられます。
治療法は、抗生物質の軟膏や軟膏付きのガーゼを挿入して様子を観ます。たいていは、この治療で治りますが、頑固な症状にたいしては、抜歯窩の表面の骨を一層削り再出血させ良好な血餅で被うような治療をします。


抜歯した穴に食べかすが詰まります。大丈夫ですか?

抜歯窩に食片が入り込むのは避けられないことで特に心配ありません。抜歯窩は徐々に縮小して2〜3ヶ月もすれば詰まらなくなります。しかし、楊枝や箸で無理にとったりすると傷ができて化膿することがありますので気を付けましょう。どうしても気になる場合は受診して医師にとってもらって下さい。


抜歯して縫ってもらった糸が数日で取れてしまって心配です。

口の中は皮膚と違って、粘膜という比較的柔らかい組織で被われています。その上常に話す、食べる、噛む、飲むなど過酷な環境にあります。粘膜は皮膚と比べて治りも速く傷も残りません。ですから縫った糸も数日付いていればその後取れても特に心配ないでしょう。


翌日になっても下唇の痺れが残っています。

下の親知らずを抜いた場合、親知らずの根が下あごの神経(下歯槽神経)に近接していたり、この神経が入っている管(下歯槽管)に歯根が入り込んでいるケースでは、術後、抜いた側の口唇の感覚が鈍くなることがまれにあります。しかし、通常は数日から数週間で軽減していき、感覚は元に戻ります。しかし、麻痺がひどい場合は、ステロイド剤やビタミンB群、神経賦活剤などの薬物療法やマッサージや温熱療法などの理学療法などで対応します。また、下歯槽神経が断裂している場合は神経移植術を要する場合があります。



顎関節症


 顎関節は下顎頭、下顎窩(下顎骨にあるわけでなく上顎骨にある下顎頭を受け止めるくぼみ)、関節円板(下顎頭と下顎窩の間にあってクッションのような役割を果たすもの)、関節包(関節を包み込んでいる線維性結合組織で内面は滑膜となっており滑液で満たされている)、咀嚼筋群で構成されています。
 顎関節症は関節の痛みや開口障害、関節雑音などの症状が特徴です。従来は歯の噛み合わせが悪いと考えられ、歯を削る咬合調整や矯正などの治療が盛んに行われました。しかし、顎は物を噛むといったことが常に行われていると考えがちですが、朝食、昼食、おやつ、夕食などで実際噛み続けているのは1時間程度なのです。それ以外は通常上下の歯は離開(上下の歯はあったていない)している筈です。従って、残りの約23時間は噛み合わせは関係してないことになります。そこで、最近では歯を強く食いしばったり、歯ぎしりなどが原因として注目されています。通常の咀嚼ではそれ程強い力はかからないのですが、歯を強く食いしばったり、睡眠中の歯ぎしりなどは関節の組織(特に関節円板)を破壊する程強い力が生じます。それ以外にも生活習慣やストレスなども大きな要因であることが分かって来ました。いわば、さまざまな原因がからみあって発症する複合病なのです。


保存的な治療法は?

この疾患は自己限定性の疾患であり、骨変形性のもでない軟組織の異常を主徴とする場合は、2〜3年の自然放置で約3/4以上の方が自然に改善します。しかし、開口訓練や消炎鎮痛剤投与、シーネ(関節や筋肉に負担がかからないようにするマウスピースのようなもの)の装着などで数カ月で半数以上の方の症状が改善します。その他、関節腔内を洗浄する方法や、滑液に似た成分を関節腔内に注入する方法もあります。


手術もあると聞きましたが。

保存的な治療法では効果が得られなかった場合、関節鏡による鏡視下での手術や、実際に耳前部に切開を入れて関節包を開放して行う大掛かりなもの迄あります。しかし関節にメスを加えることで一時的には症状の改善が見られても治癒機転で瘢痕化しかえって症状が悪化する場合もありよく主治医と相談し納得のうえで治療を受けられることが大切です。


レントゲン写真で骨の変形などなく、MRIでも関節円板などに異常所見はないそうですが、顎関節の症状だけでなく肩こりや頭痛、めまいなどが少しも改善しません。どうしたらよいでしょう。

関節の器質的変化は少ないようです。気真面目な人に多いのですがストレスを抱え込んで仕事を頑張り過ぎていて、その歪みがこのような愁訴となって噴出する場合が最近増えています。このようなケースではメンタルな面でのケアが実は一番大切ですから、心療内科を受診されるとよいでしょう。歯科医と心療内科医との連携でよい治療結果が報告されています。



炎症


顎炎(がくえん)


 顎炎とは上下顎歯槽骨や骨体の炎症です。主に虫歯や歯周病が原因で発症します。
まず、虫歯が進行すると歯髄が細菌に侵され歯髄壊死となります。根管内にとどまっていた炎症が、根尖孔から拡大すると歯周組織の炎症となり根尖性歯周組織炎となります。この根尖部の炎症が進行すると歯槽骨炎となり、骨体部まで侵されると広範な顎骨骨膜炎や顎骨骨髄炎へと進展し、局所の発赤、腫脹、疼痛に加え発熱や倦怠感などの全身症状が出現します。
 さらに、重症例となると顎骨周囲の筋、結合組織などの軟組織を侵し、抵抗性の弱い疎性結合組織の間を伝わって広く蔓延し重篤な蜂窩織炎と呼ばれる炎症に進展します。
 蜂窩織炎には、顎骨周囲蜂窩織炎、口腔底蜂窩織炎、頬部蜂窩織炎などが口腔領域では代表的です。
 上顎の顎炎に継発して眼窩を中心とした炎症である眼窩蜂窩織炎は、他の広範な炎症の症状に加えて腫脹による眼裂閉鎖をきたし、眼球突出、眼球運動障害がみられ、強い眼痛が現れることがあります。
 この眼窩蜂窩織炎の中で、頭蓋内に波及したものがさらに眼窩に波及したものは頭蓋内合併症を伴うことから、きわめて重篤で予後不良となる場合があります。
 また、組織の隙に波及すれば抵抗性が低いため、連絡する隙に次々に波及し、惻咽頭隙などに波及した場合は、容易に下方に向かって縦隔炎をおこしたり、まれに敗血症をおこして致命的となることもあります。

■治療法

 消炎治療には、全身の安静、栄養管理および適切な抗菌薬投与が重要とされています。特に炎症の急性期には全身管理が必須となります。炎症が頸部、縦隔にまで及ぶ重症例では、呼吸障害も出現することから気管切開が必要になります。もちろん、これらの重症例では入院加療となります。
 通常、歯性炎症の場合、抗菌薬はセフェム系、マクロライド系が選択されます。ある程度消炎がすすみ膿瘍を形成した場合、膿瘍切開による排膿処置が消炎を促進します。従って、適切な時期の切開、排膿処置が重要になります。全身的、局所的に炎症反応が沈静化したら、原因となった歯および歯周組織の治療が必要となります。


上顎洞炎(じょうがくどうえん)


 上顎洞の炎症は、流行性感冒など熱性疾患に継発して発症することがあります。鼻粘膜に炎症が生じると上顎洞から鼻腔に通じる自然孔が狭窄あるいは閉塞し、洞内の滲出液が貯留します。ここに感染を起こすと鼻性上顎洞炎と呼んでいます。
 これに対して、歯や歯周組織に関連した炎症が上顎洞におよんだものを歯性上顎洞炎といいます。
 このように上顎洞炎には鼻性と歯性があり鼻性は耳鼻科受診を歯性は口腔外科受診をお勧めいたします。
 歯性上顎洞炎の診断は、歯や歯周組織に関連した炎症が存在し、CTなどの画像診断で洞粘膜の肥厚や洞内に滲出液、膿などの貯留を認めれば診断は容易です。


■治療法

 歯性上顎洞炎と診断された場合は、まず、歯および歯周組織の治療が優先されます。それでも症状が改善しない場合は上顎洞炎そのものに対する治療が必要になります。上顎洞炎は粘膜の炎症性肥厚から膿性浸出液を伴うものまであり、症状により洗浄療法、抗菌薬の内服さらに手術療法があります。手術はおもに内視鏡を応用した上顎洞手術が施行されます。歯の根尖の炎症が関連している場合は、内視鏡手術では到達困難なことがあり、口腔内からのアプローチで開洞術と歯根尖切除術が必要になります。


■画像

 下図は歯性上顎洞炎の治療前と治療後のCT画像です。
 この症例は、虫歯から歯髄に細菌が感染しさらにその感染が上顎洞に波及したことで上顎洞炎を引き起こし、顔面の腫脹と激痛が出現していました。
 原因歯の根っこの治療をして根っこの先までしっかり薬を詰めることで原因が除かれ、炎症が消退して上顎洞内の膿の貯留がなくなって健康な状態に戻っています。


上顎洞炎:治療前、治療後



外傷


 外傷とは怪我のことです。口腔領域の外傷は大きく分けて唇や舌、歯肉などの軟組織の損傷と歯や顎の骨などの硬組織の損傷です。軟組織の損傷は座滅創や裂創、擦過傷などです。殆どの場合自然に治癒しますが、止血が困難であったり、大きく裂開していたり、皮膚から口腔内に貫通しているような場合は砂やガラスなどの異物の除去や縫合処置などが必要ですので口腔外科専門医のいる医療機関を受診して下さい。
 一方硬組織の損傷は歯牙の脱臼や破折、顎骨の骨折など専門医による治療を要する場合が多く、放置するとずれた位置で骨が付き上手く噛み合わなくなる変形治癒を招来することがあるので注意が必要です。


前歯をぶつけて抜け落ちてしまいました。どうしたらよいでしょう。

抜け落ちた歯を乾燥させないように(歯を元の状態に可及的に戻すとか、口の中に含むなどで)してすぐに口腔外科専門医のいる医療機関を受診して下さい。受傷直後の乾燥のない新鮮な歯であれば再植できる場合が多いので諦めずに受診して下さい。治療が上手くいけば約一ヶ月後に根管処置を行います。この時期にあまりタイトにまた長期に固定をしたり歯根膜が欠損している場合は数年で歯根吸収を起こし脱落することもありますのでこのことをよく理解をしておいて下さい。


顎を強く殴られ今迄の位置で噛み合わず顔が腫れて来ています。どうしたらよいでしょう。

すぐに口腔外科専門医のいる医療機関を受診して下さい。顎の骨が折れている可能性があります。レントゲン写真やCTですぐに診断できます。骨折による骨片の変位が少なく徒手整復可能なら正しい位置に戻した後顎間固定といって上顎と下顎をワイヤーで縛って固定し、約一ヶ月間骨が付くのを待ちます。複雑骨折(皮膚や粘膜にも損傷があって骨片が外界に露出している状態のもの)や骨片の変位が大きくまた複数の骨折を認めた場合は観血的整復術といって、皮膚や口腔粘膜を切開して骨折部の骨片を直接整復しチタンのプレートや吸収性のプレートでしっかりと固定します。この場合は原則として顎間固定の必要はありません。



粘膜疾患1(前癌病変)


 口の粘膜疾患といえば口内炎がすぐに頭に浮かぶでしょう。しかし、実際には全身疾患の徴候が出現することがあります。例えばコプリック斑といって麻疹の前兆や歯槽膿漏で歯茎から出血していると思っていたのが白血病の口腔内症状であったりする訳です。口内炎も侮れません。難治性のものの中にはがんである場合もあります。ちょっと変だなあと思ったら口腔外科専門医のいる医療機関への受診をお勧めします。


がんになりやすい難治性の粘膜疾患について教えてください。

口腔内には前がん病変といって、将来悪性化(がん化)しやすい粘膜疾患が発生することがあります。最も代表的なものに白板症があります。これはこすってもとれない白色の病変で、歯肉・舌・頬粘膜などに発生します。その他紅板症、ごく稀にがん化する扁平苔癬などがあります。


白板症(はくばんしょう)


 口腔粘膜に生じる白い角化性の病変で、とくに歯肉、舌、頬粘膜(きょうねんまく)にみられ、こするなど摩擦によっても除去できないものをいいます。白板症は比較的頻度も高く、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いため、前がん病変の代表的なものとされています。びらん(粘膜の浅い欠損)や亀裂をともなうこともあり、ものが当たると痛かったり(接触痛)、食べ物がしみたりします。


■原因

 喫煙やアルコールによる化学的および温熱刺激、歯の鋭縁、不適当な充填物、義歯などによる慢性の機械的刺激や歯科用金属から発生する微弱なガルバニー電流などの局所的要因と、性ホルモン、ビタミンAやB複合体の不足、さらに体質など全身的要因も関係するといわれています。

■治療法

 禁煙、禁酒、歯の治療、義歯の調整など刺激の原因となるものの除去やビタミンAの投与を行います。紅斑、しこり、潰瘍をともなうものは初期がんが疑われるため、組織をとって検査する生検が必要となります。特に、白い部分が厚いもの、隆起したもの、糜爛(びらん)や潰瘍を伴うものは悪性化(がん化)する可能性が高いので切除します。長年かかって悪性化する場合もあり、定期的な経過観察が必要です。

■画像

 下の写真は、舌側縁に発現した白板症です。摩擦しても取れない白斑を形成しています。

白板症:症例画像



紅板症(こうばんしょう)


 鮮紅色を呈する表面が平滑な粘膜病変で主に舌、歯肉、口腔底粘膜に発生します。境界は明瞭なものが多くみられます。初発症状として、多くの症例で出血しやすく、刺激痛が認められ、消炎療法による病巣の縮小や褪色はありません。一般的に50歳代以上の高齢者が全体の80%を占めています。紅板症の50%前後が悪性化するといわれています。


■原因

 原因は不明です。誘因として歯の鋭縁や不適合義歯などの慢性刺激が考えられます。

■治療法

 悪性化(がん化)する可能性が高いため、外科的に切除するのが望ましいとされています。治療後にも長期の経過観察を行う必要があります。

■画像

 下の写真は、舌に発症した紅板症の口腔内写真です。鮮紅色の境界明瞭な紅斑が形成され、一部にびらんがみられます。接触痛を伴い、容易に出血しますが硬結はみられませんでした。

紅板症:症例画像



口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)


 白色レース状或いは網状の模様を呈すことがおおく、経過とともに形状が変化し、周囲に赤みを帯びることもあります。病変は左右対称に現れることも多く、白色の病変は角化の異常を示すものであり、しばしば、糜爛(びらん)や潰瘍を形成し、接触痛を認めたり、食物がしみたりします。まれにがん化することもあります。


■原因

 正確な原因は不明とされており、アレルギー、とくに歯科用金属によるものや遺伝的素因、自己免疫疾患、ストレスなどの精神的因子、さらに最近カンジダ症、糖尿病、C型肝炎などの関与が考えられています。また、増悪因子として、口腔内刺激や喫煙などが関与するといわれています。

■治療法

 原因が不明とされているため、確実な治療法はありませんが、局所的には、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬や抗菌薬を含む軟膏を使います。歯科用金属によるアレルギーが疑われる場合は、これらを除去する前に、歯科用の金属アレルギーパッチテストを行います。陽性反応が出れば、充填物(つめもの)や冠(かぶせもの)を除去して様子をみます。全身的には消炎鎮痛薬のほか、ビタミンA製剤や抗アレルギー薬、さらに精神安定薬などの投与が有効な場合があります。

■画像

 下の写真は、頬粘膜に発生した扁平苔癬の口腔内写真です。白色レース状で光沢のある丘疹がみられます。

口腔扁平苔癬:症例画像



粘膜疾患2(悪性腫瘍)


 口腔内の悪性腫瘍は、部位により舌がん、歯肉がん、口腔底がん、頬粘膜がん、口唇がん、硬口蓋がんなどに分類されます。また、由来細胞により癌腫と肉腫に分類されます。癌腫は、上皮細胞に由来する悪性腫瘍で、肉腫は、骨や筋肉などの上皮以外の細胞に由来した悪性腫瘍です。
 原因は不明ですが喫煙、飲酒や不適合義歯、狭窄した歯列、虫歯の鋭縁などの口腔粘膜への慢性刺激の関与が疑われます。


虫歯でがんになることがありますか?

あります。虫歯がひどくなって、歯が欠けて鋭縁ができると、舌が常に傷つき修復再生と損傷のサイクルが繰り返されます。この時分化をコントロールする遺伝子が何かの原因で損傷するとこの修復再生過程で未分化の細胞が勝手にどんどん増殖することがあります。これががんです。


がんの治療法は?

外科的切除療法、抗癌剤による化学療法、放射線療法が主なものです。各々単独に、またこれらを組み合わせて行います。個人的な見解としては一部の例外を除いて、早期発見し速やかに外科的切除療法で病巣を完全に取り除くことが最善だと考えています。


口腔領域のがんはどんな部位にでき、それぞれどんな治療をするのですか?

実際の症例を示してご説明します。


舌がん
舌がんは口腔がんの中で最も多く、舌縁に好発します。臨床所見は様々で多彩です。治療は外科的切除、放射線療法を主体としこれに化学療法を組み合わせます。


歯肉がん
歯肉がんは舌がんの次に多い口腔がんです。歯肉は薄いために容易に顎骨に浸潤します。レントゲン写真で骨への浸潤と破壊の程度を観察することが可能ですが、進展した歯周病とよく似た臨床所見を示す場合もあり発見が遅れることもあります。骨を含めて切除する外科処置が一般的で、二次的に放射線療法や化学療法を組み合わせます。


口底がん
早期に頸部リンパ節に転移し易いなど周囲組織に進展し易いため、口腔底を含めた広範な組織を一塊として合併切除します。切除後は再建手術が必要となります。


頬粘膜がん
頬粘膜がんは上下顎の歯肉頬移行部から口唇の内側の粘膜を含む領域で解剖学的に歯肉に近い部位です。従って顎骨への浸潤がみられることも多く、この場合は骨も含めた切除が必要です。


硬口蓋がん
硬口蓋粘膜に発生するがんで頻度はあまり多くありません。骨への浸潤が早期に認められますので手術は上顎骨も含めた切除術を行います。よく放射線療法や化学療法も併用します。舌がんや口底がんなどより予後はかなり良好です。

口唇がん
下唇に好発し正中と連行部の間に多くみられます。大部分が高分化型の扁平上皮がんであり、予後は良好です。腫瘍の切除と同時に再建手術を行います。


お問い合わせ・相談は無料です。お気軽にご相談ください。